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【タイ・バンコク国際空港にて思う事】

2016.11.23

 東南アジア出張中にて、現在バンコク・スワンナプーム国際空港にいます。っと言ってもタイに用事があるわけではなく単にトランジットという理由です。

 

 我が拠点鳥取空港は全日空しか就航しておらず、当然の如く海外も含めてスターアライアンス系の飛行機会社を好んで使うため、東南アジアを動く際は基本的にタイ国際航空を利用します。そうなると必然的にバンコク空港の利用率が高いということです。

 この空港に来るたびに思うのが、とにかく綺麗でデカい!そして常に人でごったがえしています。そう、ここはアジア有数のハブ空港なんです。ハブ空港とは自転車の車輪の中心からスポークが伸びるように拠点から広がるという意味で、読んで字のごとくその地域の中心空港ということです。

 現在の東アジア・東南アジアの代表的ハブ空港というと、韓国インチョン国際空港・シンガポールチャンギ国際空港・そしてこのタイスワンナプーム国際空港の三ヶ所でしょう。

 

 日本の成田・関空・中部空港というと、残念ながらこれらの空港に敗れ去ってしまったというのが現実ですね。過去50年の日本の空港戦略とはおそまつの一言でしょう。

 成田は新東京国際空港と言われながら、千葉のはずれでもはや茨城のそば。そこまで田舎に行きながら騒音問題から24時間空港に出来ず、今では羽田の国際化に伴いその存在意義まで問われている悲しい空港。

 関空はこれまた和歌山そばに作りながら、開港早々地盤に問題が出たかと思うと、そのアクセス性の悪さから関西地区の人々は伊丹空港からインチョン空港経由で海外に行く人が多いらしい寂しい現実。今後は神戸空港・伊丹空港との住み分けが大きな課題。

 中部国際空港にいたっては、某大手車会社の為の空港と揶揄されながら、山奥に作ったもんだからそれこそ新幹線で東京へ出て羽田で海外という地元の人が多いらしいもはや閉口のレベル。

 

 結局、国の政策がブレブレだから気が付けば東アジアの飛行機はみんな韓国インチョンに取られるという始末。国策がはまったインチョンは空港使用料も格安なので、そりゃこぞって各航空会社は値段の高い成田よりインチョンに行くというわけ。

 現実に世界国際空港順位では1位がシンガポールチャンギ、2位が韓国インチョン。要するに外国人を根こそぎ取られている。それでも日本は観光客誘致を挙国体制で進めている中で何とか善戦しているが、だからこそ逆に空港さえもっとしっかりしていればと思えてならない。

 

 噂では福岡空港も街中過ぎて滑走路の問題から、北九州に移転の動きが強いらしい。私の今回の出張も福岡空港戻りなんだが、日本の国際空港で最も便利であるといっても過言ではない程、街中にある福岡空港が北九州に移転なんて・・・。この時代になってまた同じミスを繰り返すのかと理解不能である。

 

 さて、そんなことを考えながら8時間近くトランジット時間の為、あまりに時間を持て余すので一度空港から出ることにしました。久々に空港出ると、なんと「Uber」のサインが。早速自分のスマホのUberアプリを立ち上げると、Uberの車がうじゃうじゃ。

 ちなみにこれ「ウーバー」と読みます。Uberとは、簡単に言うと流しのタクシーがそこら中にうじゃうじゃいて、スマホのアプリで呼び出すと自分の位置情報に一番近い車が手配され迎えに来るという日本で言うハイヤーのようなシステム。事前にカード登録がしてあるので、運転手と支払のやりとりをする必要性もないし、もっと言えば会話をする必要性がない。これはどういうことかというと、海外で言葉が分らなくても全く問題ないということ。

 そして何がすごいって、スマホ上に車のナンバーから運転手の顔写真等のプロフィールが載るから運転手の身元確認も安心。そして一番はスマホでのやりとりで目的地もスマホに入力するだけなので、電話等のオペレーターの必要性がない。そう、人件費がかからないのだ。実際Uberはタクシーの半分以下の料金である。

 

 日本は残念ながら白タク規制があるのでなかなか諸問題を突破できず普及できてない。皆さんにも一度は利用してみてほしいってくらい、衝撃的に便利で衝撃的に安い。実は最近の私の海外出張はレンタカーよりUber利用の方が多い。だって安いし駐車場代も必要ないし、知らない土地でも安心だし。

 

 結局これも日本の規制が普及の大きな壁になっている。世界ではUberがスタンダードになっているのに。外国人観光客なんて言葉で行先を伝える必要性が無いUberはどんなに便利だと思うだろうか。

 

 そして只今ニュースを騒がしているアメリカのTPP脱退問題。日本のメディアはこぞって大変なことだと騒いでいる。おいおい、つい最近まで世の中はTPP反対の風潮だったじゃないかと突っ込みたくなる。そもそも慎重論だなんだと言いながら、決断が遅いということ。安倍総理が強く推進しても、なんでもかんでも文句ばかり言いたがる野党とメディアが正論無き否定論。

 

 空港問題も、Uberも、TPP問題も共通点は、「スピード感」「将来ビジョン」「グローバル感覚」これら3つの欠落であろうと思う。そしてこの3つとも、日本の最大の弱点だ。

 

 会社も同じだ。逆に言うとこの3つが強みとなれば、この時代を生き残るための大きな武器となるだろう。最近チラホラと外部の方々から、弊社はスピードが速いとか、将来ビジョンがしっかりしているとか、グローバルな会社だとかというお言葉を貰います。っが、私の中では全く満足出来ないというか、まだまだとしか感じないというのが正直なところです。

 

 世界はもの凄いスピードで動いています。そして変化をしています。これに追いつきその流れをつかむためには、「スピード感」「将来ビジョン」「グローバル感覚」はこれが出来るから強いのではなく、最低限必要なことレベルなくらい基本的なことなんです。

 真の意味でこれらの言葉が弊社にとって強みであると言われるようになりたいですね。