【世界目指す若者たちが、日本の未来を創る】
2026.07.01 今回のワールドカップを見ながら、私が最も強く感じたことがあります。それは、これは決してサッカーだけの話ではないということです。日本代表が示してくれた姿は、そのまま今の日本、そして日本企業が目指すべき未来そのものだと感じました。
私は以前から弊社メンバーへ、「チャレンジしない組織に成長はない」と伝えています。安全な目標を掲げれば、達成率は高くなるかもしれません。しかし、それでは組織は大きく変わりません。本当に組織を成長させるのは、「届くか分からないほど高い目標」に本気で挑み続ける姿勢です。
今回の日本代表は、まさにそれを体現していました。世界一という目標を掲げたからこそ、ブラジル相手にも臆することなく、自分たちのスタイルで勝負しました。敗れたとはいえ、その姿勢は世界に対して日本サッカーの現在地を示した、大きな一歩だったと思います。
これは我々川口グループが掲げる「プロフェッショナルチャレンジ」と全く同じ考え方です。挑戦とは、成功が約束されているから行うものではありません。未来を変えたいという強い意志があるからこそ、人は挑戦するのです。
そして今回、もう一つ強く感じたことがあります。それは、日本の若い世代の頼もしさです。彼らは世界を恐れていません。海外へ飛び込み、自分の実力を証明し、世界一になることを本気で目指しています。その姿勢はサッカーだけではなく、スポーツ、研究、芸術、そしてビジネスの世界にも確実に広がっています。
私は、日本の未来を悲観していません。少子高齢化や人口減少など、多くの社会課題があることは事実です。しかし、その課題を乗り越えようとする若者たちがこれだけ育っている限り、日本にはまだまだ大きな可能性があります。
だからこそ私たち大人の役割は、挑戦を止めることではありません。失敗を責めることでもありません。若者たちが思い切って挑戦できる環境を整え、その背中を押してあげることだと思っています。
企業経営も同じです。社員が失敗を恐れる組織では、新しい価値は生まれません。挑戦したことを称え、失敗から学び、次へ活かす文化がある組織だけが、未来を切り拓くことができます。それこそが、我々が目指す組織文化でもあります。
今回、日本代表の敗戦を見ながら、私は30年前のドーハを思い出しました。そして同時に、「日本は本当に強くなった」と心から感じました。結果だけを見れば敗戦です。しかし、その内容も、目標も、選手たちの覚悟も、あの頃とはまったく違います。
敗戦の先に見えたのは、終わりではありません。
それは、日本の新しい時代の始まりです。
私は、自分が生きている間に、日本代表がワールドカップを掲げる瞬間を見られると本気で信じています。それはもう夢物語ではありません。世界一を本気で目指す若者たちがいる限り、日本の未来はきっと明るいはずです。もちろん簡単ではありませんが、信じ続けなければ実現することもまたないでしょう。
そして私自身も、その若者たちに負けないよう、鳥取から世界へ挑戦し続けたいと思います。4年後、日本代表が再び世界の舞台で躍動する姿を楽しみに待ちながら、我々もまた、それぞれのフィールドで世界を目指して歩み続けていきたいと思います。
【ドーハの悲劇世代から、世界を目指す世代へ】
2026.06.30FIFAワールドカップ2026、日本代表の挑戦が終わりました。掲げていた「世界一」という目標には届かず、準々決勝でブラジル代表に敗れるという結果となりました。しかし試合終了の笛が鳴った瞬間、私の胸に込み上げてきたのは失望ではなく、不思議なほど大きな希望でした。
私は1993年の「ドーハの悲劇」をリアルタイムで見てきた世代です。あと数十秒で日本サッカー史上初となるワールドカップ出場が決まる、その瞬間に夢が消えた光景は、今でも鮮明に記憶に残っています。そして2年前、実際にドーハのスタジアムを訪れ、当時テレビ越しに見ていた景色を思い浮かべながら、30年以上という歳月の重みを静かに感じていました。
あの頃の日本代表は、「ワールドカップに出場すること」が最大の夢でした。海外クラブでプレーする日本人選手はほとんどおらず、世界と互角に戦うことなど、多くの人が想像すらできなかった時代です。試合後、オフト監督に抱きかかえられ涙を流す選手たちの姿を見ながら、日本サッカーはまだ世界には遠い存在なのだと感じたことを覚えています。
しかしその悔しさこそが日本サッカーを変えました。Jリーグが発足し、多くの選手が世界へ羽ばたき、欧州のトップクラブで活躍する日本人選手が次々と誕生しました。そして今、日本代表はワールドカップ出場を当然の目標とし、その先にある「世界一」を本気で目指すチームへと成長しました。
今回の大会で私が最も印象に残ったのは、選手たちが迷うことなく「優勝」を口にしていたことです。それは大きな夢を語っているのではなく、自分たちなら世界一になれると本気で信じ、そのための努力を積み重ねてきた者だけが口にできる言葉でした。
私たちの世代は、「世界に追いつくこと」を目標に育ちました。しかし今の若い選手たちは、「世界を追い越すこと」を当たり前のように考えています。この意識の変化こそが、日本サッカーをここまで成長させた最大の要因ではないでしょうか。
その姿は、先日の野球WBCとも重なります。世界大会でベスト8やベスト4という結果では満足できず、優勝できなかったことが悔しさとして語られる時代になりました。野茂投手を見てきた世代からして、日本とアメリカが同じ土俵で戦うなんて、想像すらしていませんでしたし、30年前では考えられなかった価値観です。それだけ日本は世界基準で勝負する国へと変わったということなのでしょう。
もちろん今回の敗戦は悔しい結果です。しかし私は、この敗戦を「終わり」とは全く感じませんでした。むしろ世界一を本気で目指したからこその敗戦であり、その挑戦には結果以上の価値があったと思います。
30年前、ワールドカップ出場が夢だった日本。
そして今、ワールドカップ優勝を本気で目指す日本。
この30年間で、日本サッカーは想像を超える進化を遂げたからこそ、この敗戦の先に、日本サッカーの新しい未来を見たような気がしています。
【歳を重ねて思うこと】
2026.06.05先日、52歳の誕生日を迎えました。
今年もまたありがたいことに、各拠点のメンバーからお祝いをしていただけました。もちろん例年のことですが、心から嬉しくそしてありがたく感じていますが、歳を重ねるにつれて、その意味合いが少しずつ変わってきたように感じています。
今の私にとって誕生日とは、祝ってもらう日というよりも、これまで支えてくださった方々への感謝を改めて実感する日です。そして今年もまた、そのことを強く感じる一日となりました。
今年も会社で誕生日を祝っていただきました。各拠点の仲間たちから温かいメッセージをいただき、多くの方々からお祝いの言葉をいただきました。毎年のことではありますが、その一つひとつに目を通しながら、胸が熱くなる思いでした。
経営者という立場は、多くの方が想像する以上に孤独だといわれています。会社の未来を考え、決断を下し、その結果に責任を持つ。正解のない問いに向き合い続ける毎日は、決して楽なものではありません。
もちろん、ここまでの道のりも順風満帆だったわけではありません。苦しい時期もありましたし、大きな壁にぶつかったこともありました。その度に悩み、考え、時には眠れない夜を過ごしたことも一度や二度ではありません。
しかし今振り返ると、そのような困難を乗り越えることができたのは、自分一人の力ではなかったと断言できます。家族の支えがあり、取引先様のご支援があり、そして何より川口グループの仲間たちの存在があったからこそ、ここまで歩んでくることができました。
毎年ですが皆さんからのメッセージをかみしめながら、私は改めてそのことを強く感じています。一人ひとりの言葉には、その人らしい想いが込められており、日頃なかなか口にすることのない感謝や期待の気持ちが伝わってきました。
私は以前から、「人こそ企業最大の価値」であると話しています。これは経営理念として掲げているだけではなく、経営者としての実感でもあります。どれだけ立派な設備があっても、どれだけ優れたシステムを導入しても、最後に企業の価値を創るのは人だからです。
企業文化を創るのも人です。お客様との信頼関係を築くのも人です。そして未来を切り拓いていくのも、結局は人です。その意味で、私は本当に恵まれた環境で仕事をさせてもらっていると思っています。
振り返れば、この一年も多くの挑戦がありました。新しい事業への取り組み、海外での新たな出会い、M&Aによる組織の拡大、そして未来へ向けた様々なプロジェクト。その全ての中心には、いつも仲間たちの存在がありました。
私は幸運な経営者だと思います。なぜなら、共に未来を語れる仲間がいるからです。共に悩み、共に学び、共に成長しながら、同じ方向を向いて歩いてくれる仲間がいることは、何にも代え難い財産だと感じています。
今回の誕生日のお祝いは、単なるイベントではありませんでした。それは仲間たちからの応援であり、信頼であり、そして未来への期待だったように感じています。その期待に応えられる経営者であり続けたいという想いを、改めて強く持つことができました。
52歳という年齢は、人生で考えれば決して若くはありません。しかし経営者として、そして一人の人間として、まだまだ挑戦したいことがたくさんあります。これからどんな未来を創るのかを考えると、今でも心が躍ります。
我々が掲げる「生命の理想郷」というビジョンも、決して私一人では実現できません。志を共にする仲間たちがいてこそ、初めて実現できるものだと思っています。その仲間たちと共に未来へ挑戦できることを、私は何より幸せに感じています。
人生を振り返ると、本当に価値があるのはお金や地位ではなく、人とのご縁や信頼関係なのだと改めて思います。今年もこうして多くの仲間たちに祝っていただけたことを、心から幸せに感じています。
最後になりますが、誕生日を祝ってくださった全ての皆様へ、心より感謝申し上げます。皆さんのおかげで私はまた前を向き、新たな一年への挑戦を始めることができます。
これからも共に学び、共に成長し、共に未来を創っていきましょう。経営者として、これほど幸せな誕生日はありません。本当にありがとうございました。



