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【本田という新時代のサムライ】

2018.06.28

 ワールドカップ ロシア大会。やはりというか、まさかというのか、日本代表本田が活躍している。瞬間的にロシアでは車メーカーのホンダを凌駕しているかもしれない程。

 

 今まで彼のような日本人がいただろうかと考えてみると、意外と誰にもダブらない。これまで世界で活躍する日本人スポーツ選手のそれとはまた違う異彩を放っているようだ。

 

 何が違うって、やはり一貫して「ビッグマウス」し続けていることに尽きるだろう。およそ今までの日本人の発想とは根本的に違う。世界で活躍してきた、野球の野茂・イチロー・松井・大谷、サッカーのカズ・中田達とは全く異質だ。上記の彼らは基本ジェントルマン。寡黙に近く、結果を出し続けることで地位を築いてきた。

 敢えて言えば、浪速のジョーことボクサー辰吉丈一郎くらいだろうか。

 

 今まで有言実行をしようとしてきた選手は、ことごとくマスコミに潰されてきたからだろう。

 

 日本人はデカいことをいう人間を基本的に好ましく思わない民族性がある。それよりも、寡黙にミッションをこなし、気が付いたら努力で結果が出ている雰囲気があるとスーパースターになれる、もしくはスーパスターになりやすい。元ジャイアンツのミスター長嶋さんだけが別格だが、彼は国内だけの活躍であったからか、それ以上の人間的魅力があったからか。

 

 そもそも日本人はミスを嫌い、挑戦をしたがらない民族だ。挑戦して、ミスをすると叩く。挑戦したことを称賛するより、ミスをしてしまった現実のみにフォーカスするからだ。

 

 以前、元日本代表FW呂比須・ワグナーが、ストライカー目指す子供への指導法について語ったことを思い出した。状況は決定的場面でシュートを外した子供に対して。

 

「海外ではシュートしたことを褒める。日本ではシュートを外したことを怒る」

 

 これではストライカーは育つわけがない。9回失敗しても1回成功すれば褒めるべきだ。子供はその一回を求めて何度も何度もトライをする。日本では1回成功しても9回失敗したことにフォーカスしてしまう。

 要するに、「挑戦」したことを褒めることが大事で、「挑戦」して失敗した「結果」を攻めるべきではない。

 

 この考え方は、私も海外に出るまで分からなかったが、指導・教育・育成において日本のそれは明らかに異質だ。人を育てるということにおいて、海外が長い本田の考え方も、そういった部分に通じている感はする。

 

 さて、話を戻すとサムライブルーというフレーズが少しずつ定着しつつあり、日本代表をサムライと呼ぶマスコミも増えてきている。そういえば、野球の日本代表サムライジャパンは商標取っているだろうが、まあこの際どちらでもいい。

 侍とはそのそも寡黙で不言実行が代名詞のように感じるだろうが、本田はまさに真逆の有言実行。となると、本田をサムライというのは違和感を感じざる得ない。しかし、やはり本田は日本の侍という誇りの気持ちも込めて、そう呼びたくなるのが日本人であり、今の本田の凄まじさであろう。

 

 その理由はシンプルだ。彼がかっこいいからサムライと呼びたくなる。まさしく今の彼は日本の誇りだ。これが数週間前に、代表落選するかもしれないとまで言われた男の活躍ぶりかという程、今の本田は何かを変えさせる雰囲気すらある。

 

 本田は今大会で、「ジョーカー・本田」「サムライ・本田」と呼ばれている。ちなみにジョーカーとは文字通りジョーク(Joke)を言う人(Joker)が語源だ。となると、本田はジョーカーでもサムライでも当てはまらないのでは?っというのは、言葉のセンスがないと思われるので御愛嬌(笑)。

 

 いずれにしても、世界を感嘆させる日本人はいつの時代もサムライと呼ばれてほしい。現代のそして新しいサムライ像をもつ「サムライ・本田」が、三度(みたび)世界を脅かせてほしいものだ。

 

 本日の運命の一戦はあいにく、フライト移動中。飛行機降りて、ネットニュースを見る手が震えそう・・・。