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【武田製薬 M&A ①】

2019.01.31

 年末から年始にかけて日本企業のメインニュースは、説明するまでもなく日産カルロスゴーンニュース。ゴーンショックという言葉まで生まれているらしいこのニュースは、当然のことながら私もかなりのショックを受けました。

 

 しかしながら、タイミング的に少し陰に隠れた感もありますが、武田製薬の「シャイアー買収」ニュースは本来であればニュースの連日トップを飾ってもおかしくない巨大プロジェクトでしょう。何故ならば単純に買収価格7兆円という規模であり、これが成立すると武田は売上高で世界9位となるからである。もちろん日本国内企業のM&Aとしては過去最高金額。

 

 企業とはある程度、外部の血を入れない限り行き詰ってしまうものだ。M&Aに対してマイナスイメージがある方も多いかと思うが、本来血の活性化という意味では企業にとって非常に効果的な経営手法だ。内ばかり見ていても外は決して見えなくなる。いい企業と思っている会社ほど、井の中の蛙となるということも多々あるはずだ。

 

 日本国内の製薬企業は一見華やかに見えるが、世界的に見ればガラパゴス化の典型らしい。このままではグローバルの波が日本に押し寄せた際に、耐えうるだけの体力が足りないというのが一般的な見解。その体力とはもちろん財力であるが、同時に言われるのが製品開発力。即ち「R&D」だ。

 

「R&D」とは研究開発(けんきゅうかいはつ、英語: Research and Development)のことである。

 

 日本は、意外とこの「R&D」を軽視する企業が多い。これが海外企業に負ける一因ともいわれる。そして大きなポイントだが、「R&D」とは基本的に大企業が有利である。何故ならば、研究開発とは莫大な経費がかかるし、大型投資がしっかり出来る企業が絶対的に有利であるからである。製薬企業など、その最たるものであろう。

 

 特にこの製薬業界は、新薬の開発、即ち特許が終わる段階までに進めないとならないらしい。

 

 今回のM&Aニュースで、私が注目する点は、この「R&D」と「攻める姿勢」である。これからの企業未来の根幹は、今まで以上にR&Dになるだろう。要するに他社にない、「唯一無二」の強みを作りあげる企業が勝つということだ。そこに人財や投資がしっかり出来る組織を作っている企業が生き残る時代がより濃くなるだろう。

 

 「R&D」 ⇒ 「唯一無二」 ⇒ 「企業バリュー」に繋がることは、誰でも理解できることだが、これが今まで以上に生き残るためのポイントになるということだ。

 

 これは同じく人財にも言えるだろう。誰でも出来る仕事を行う人材より、唯一無二の個性を持った人財が必要とされる時代。これこそAI時代の中での、人財バリューそのものだから。

 

 そのために、このM&Aを進める判断をしたのであろうが、創業家は反対しているということのようだ。この件はまた次回に。