CEO blog   |  【バイオフィリックデザイン オフィス ~前編~】

CEO blog

【バイオフィリックデザイン オフィス ~前編~】

2020.07.22

 いよいよ弊社新本社屋・新工場が完成し、それぞれオペレーションスタートが直前となりました。我々が手掛けたこの新本社屋・新工場ともに、かなり嗜好を凝らした様式にしています。正直一般的ではなく、極めて珍しい雰囲気にしており、その象徴というのが、今回取り入れた「バイオフィリックデザイン」になります。

 

 実は新型コロナウイルスが騒がれ始めた、去る2月9日に、こちらのブログに下記のタイトルにてアップしました。

 

【新本社屋 & 新工場 完成へのチャレンジ】

http://www.kawaguchi-group.jp/blog_president/4223/

 

 このチャレンジとは、新本社屋オフィス内にて私が最も拘ったポイント、「バイオフィリックデザイン」を導入すること。実は今回新社屋のオフィスデザインは、周りのサポートをいただきながら、ほぼ私独自で手掛けました。そのバイオフィリックデザインの基本コンセプトは下記の通りです。

 

【~New Office 基本コンセプト~】

バイオフィリックデザイン(緑・木・岩・土・空)

 

 以前よりこのワードは知っており、興味は持っていましたが、今回このデザインを取り入れることで、私なりに独学で勉強してみました。その上で感じた率直な感想は、このバイオフィリックデザイン、本当に奥が深いということ。

 

 今回のブログ、まずはこの「バイオフィリックデザイン」というものを、述べたいと思います。

 

 我々人類は先天的に 「自然を好む性質=バイオフィリア(biophilia)」 という概念を持っているようです。このバイオフィリアとは、「バイオ=生命・生き物・自然」と「フィリア=愛好・趣味」 を組み合わせた近年作られた造語。

 

 例を挙げてみましょう。我々は連休になると、自然豊かな山や海に行きたくなりますよね。これは我々がこのバイオフィリアを、本質的に持っているからこそのようです。森を歩くだけで癒されたり、雨音や鳥のさえずりを聞くだけで心が落ち着いたりするのは、生まれながらに持っているバイオフィリアの作用からくるからだと。

 

 この「バイオフィリア」、実は1984年アメリカ生物研究者であるエドワード・O.ウィルソンが提唱したもので、上記の通り「人は自然とのつながりを求める本能的欲求がある」という概念。これは言い換えれば、「人は自然と触れ合うことで、健康や幸せを得られる」という考え方です。このバイオフィリアの概念を、具体的な建築環境に活かしたデザインを、バイオフィリックデザインと呼ばれます。

 

 即ち、「バイオフィリックデザイン オフィス」で働くということは、自然の中で自然と一体になって働くということ。オフィスという無機質な空間ではなく、緑からマイナスイオンを感じたり、土の匂いに触れたり、空の光を浴びたりと、人間が本質的に最もリラックスできる空間をオフィス内に構築するというコンセプトから成り立っています。

 

 このバイオフィリックデザインついて、ビジネス心理学者であるアメリカのロバートソン・クーパー社は、世界16カ国、合計7,600名以上の働く人々を対象にして、職場におけるバイオフィリックデザインがどのように人々に影響を与えるかを調査。その結果が驚くべき数字を出してくれました。

 

【バイオフィリックデザインで働く方々の調査結果】

幸福度: 15% UP

創造性: 15% UP

生産性: 6% UP

 

 要するに、バイオフィリック・デザインを導入したオフィスは、コミュニケーション活発になり、人間関係もスムーズになり、イノベーション効果もうまれ、生産性も向上するであろうという、究極の相乗効果がうまれやすい環境になるとのこと。

 

 今では世界のトップIT企業である、「GAFAM(Google, Amazon, Facebook, Apple, Microsoft)」 を中心に、世界的企業で採用され、そこで働くエリートたちは緑囲まれたオフィスで働いているケースが多々あるということ。

 

 残念ながら、バイオフィリアの概念は日本ではまだ広く普及しておらず、2019年に表参道ヒルズのスターバックスが取り入れたということで話題になった程度。今では徐々に東京を中心に取り入れる企業が増えつつありますが、まだまだ日本はバイオフィリックデザインオフィス後進国。

スターバックス②スターバックス①

 

 まあ攻めると周りから批判をされやすい日本社会ではありがちな話ではありますが、弊社は幸い地方零細中小企業なので、基本的に失うものはありません。っというか、チャレンジしてこそという企業精神を、私が体現すべきというのが社風だと信じています。

 

 即ち、失敗を恐れず、新しいことにチャレンジするいう企業文化の実践。

 

 その為には、私のバイオフィリックデザインについての勉強をしなければなりません。そしてオフィス建物の外観、内装の一つ一つに意味とストーリーが必要だと気付きました。それは当然の如く、私自身にとっても大きなチャレンジということ。

 

 後編に続く・・・。