CEO blog   |  【日本人の誇り】

CEO blog

【日本人の誇り】

2021.08.10

 金メダルラッシュに沸く東京オリンピックですが、個人的に非常に印象深い金メダリストが、新種目の空手男子形、喜友名諒選手だ。

 

 周知のとおり、空手はこの東京オリンピック限定種目。この限定種目というと、どうしても野球・ソフトボールに目が行きがちだが、この空手も今回東京だけという競技。そしてどうしても古い発想が残っている私としては、オリンピックはアマチュア選手・アマチュア競技に目が行き力が入ってしまう。まあ、現代スポーツでは、プロ・アマの垣根の判断がかなりグレーになっているのですが・・・。

 

 さて本題に戻って、この喜友名選手の空手形という競技、競技というか演武というかですが、極めて日本人そして日本文化の古き良き日本を感じる内容で、見ているだけで力が入りただただ引き込まれる独特の雰囲気が大きな魅力です。

 

 そんな中、最も感動的なシーンであったのは、金メダルをとった直後のシーン。

 

 彼は喜びを押し殺すように、最後まで日本人として礼節を尽くした。金メダルが確定した瞬間、彼は相手選手とまず握手と抱擁をかわしても表情を崩さない。その後、おもむろにコートの中央へと1人で移動して正座。そしてゆっくりと両手を前に付け、一礼。日本人で言う土下座の姿勢で、全ての人へ感謝を伝えた。会場は拍手に包まれる。彼は四方へ再度礼をしてその場を降りた。

 

 そのシーンに、心震わされ、ただただ感動し、涙が止まらなかった。

 

 これぞ日本の武道であり、日本人として誇らしく感動した。今の相撲界も大いに見習ってほしい程に・・・。

 

 喜友名選手を中学3年の頃から15年以上指導したという、師匠佐久本さんこのインタビューが印象的だった。「彼のひたむきさが金につながった。努力の天才。手抜きをしない」。以前、彼の母紀江さんとは自身も「絶対に優勝させる」と約束していたおり、「本当に親孝行者」と万感の思いだったとのこと。

 

 試合前、喜友名選手に「勝ち負けも大事かもしれないけど、武道の心を伝えたい」と語っていたという。最後まで礼節を大事にする姿に「礼に始まり礼に終わる。模範を示したと感じた」とうなずく。

 

 頭を下げるという行為は、西洋人から見ると最もプライドが許されない行為の一つという意見も多い。しかし今回の喜友名選手の振る舞いは、日本人として心震わせる程、日本人の誇りを世界に示してくれた。

 

 その「日本人の誇り」とは、「礼節を重んじる日本人」ということに繋がるかもしれない。いずれにしても日本人であることが誇らしく、そして素晴らしいシーンにTV越しとはいえ立ち会えたことにただただ感激した。

 

 喜友名選手がどういった思いで頭を下げたかは本人しかわからないが、全てに感謝という気持ちはあったのだろう。そしてもちろん2年前に他界された最愛の母親に向けての感謝も含まれていたはずだ。

 

 彼の全てがかっこよく、同じ日本人であることに誇りしかない。