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【安部元首相とリーダーシップ ①】

2022.07.29

 安部元首相が亡くなった。

 

 当然の如く、彼の生前の功績に対してメディアは騒ぐ。彼ほど賛否両論に評価の分かれる政治家は、ここ近年いなかったことを考えると当然であろう。

 

 そもそも私は安倍元首相に対してポジティブな印象を持っていた。理由は単純明快で、彼は一国のトップとして、他日本人には無い卓越したリーダーシップを持っていたと感じていたからだ。私は小泉首相の時代に日本で暮らしていなかったので、彼のリーダーシップに関して全く分からないので評価できないが、彼を除くと、おそらく安倍元首相は私が大人になってから見てきた政治家のリーダーシップでは圧倒的No.1である。

 

 この意見に関して当然賛否両論あろうかと思うが、私の考えるリーダーシップとは、決して万人から好かれることではない。いくら人から好かれようが、決めること・実行することが出来ない人はリーダーではないというのが私の中でのリーダーシップ論だ。

 

 例えば 「決めること」 は、リーダーが周りに気を使っていてばかりでは、いつまでたっても決まらないだろう。100人中100人が納得する答えなど無いことは、誰でも分かっているはずだ。しかし日本人リーダーは決めるべき時に決められないことが多々ある。逆にいうと、決められない人がリーダーをするほど、フォロワーを不幸にすることはない。

 

 少なくとも近年の他首相より、安倍元首相はスピード感をもって決めてきた事案が多々あった。ただしこの強引な決め方に問題があったからこそ、苦言を呈せられることが多かったことは事実だ。だがその決め方すら時として必要であり、それこそある程度の強引な突破力を必要とするのが、今の日本の政治ではないだろうか。要するにスピード感をもって何も決められないということ。

 

 それはここ近年の歴代首相を思い起こしてみれば、極めて単純明快ではなかろうか。なんと決めれない政治家が多く、更に決めさせない政治家が多いことか。決断するということは前進するとうことであり、決めないということは前に進んでいない状態であることは、誰が考えても分かる事実だ。そしてリスクを恐れて決断できないということは、単に問題の先送りでしかない。

 

 現実として、安部元首相の後任の方々は、決断力、突破力が安倍元首相のようにあっただろうか。特にこの二年間は新型コロナウイルスとの戦いであり、日本にとって歴史的国難だ。こういう時代だからこそ決断力、突破力が必要であり、国民はそういうリーダーをこそ支え、ついていこうと感じるのはないだろうか。不確実な現代社会では尚更だ。

 

 今回の事件で、そういった決断力、突破力のある稀代のリーダーを失ったことは、日本にとって大きな大きな損失だと感じる。