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【安部元首相とリーダーシップ ②】

2022.07.30

 個人的には近い将来、安倍首相再登板より、安倍外務大臣が見たかった。彼の外交力、交渉力、行動力、そして何より戦後最長首相在任期間で築き上げた他国との関係性は、ここ近年の日本人政治家の中でもトップレベルで会ったことは明白だ。

 

 勿論、彼を好ましく思ってなかった国もいたことは間違いないし、首相経験者が外務大臣になったという前例は皆無だろうが、それでも安倍元首相であれば日本の外交に明るくなる可能性があったはずだ。

 

 少なくとも現在の日本に、彼より外務大臣としてのポテンシャルを持った政治家がいるだろうか。

 

 日本は長い間、耐え忍ぶという美学を貫き通した結果が、今の世界での日本という国の立ち位置だと感じる。要するに問題の先送り外交だ。総理大臣在任期間そのものが長期政権にならないという、現在の日本のシステム自体に問題あるから尚更だ。

 

 政治そのものが我々の想像を絶するほど繊細で難しいであろうことは承知の上でだが、結局失敗を恐れてしまうという日本人的な発想が、この決断できない、問題を先送りにするという外交に繋がっていくのであろう。

 

 しかしどうして日本人はここまで「ミス」を恐れる国民性になってしまったのだろうか。どうして「決断」をすることを恐れる国民性になってしまったのだろうか。

 

 「ミス」や「決断」を恐れる社会になると、当然の如くリーダーが育ちにくくなる。何故か?誰しもリスクをテイクしたくなるからだ。それはどういった弊害がおきるのか?チャレンジしにくい社会になってしまうということでもある。

 

 結局誰からも攻撃されたくないし、無難に生きていきたいということが最優先されるということ。それは即ち「夢」を掴むチャンスもチャレンジしなくなるということでもある。

 

 人に優しく、人を敬い、人の為に生きることは、当然の如く人として大切な事だ。しかしながら、人の為にも、決断をするというチャレンジが出来るリーダーを育成することが、今の日本には最も必要だと切に感じる。誤解を恐れず発言すれば、人にどう思われても自分の信念を貫き通すリーダーこそ、今の日本には必要ではなかろうか。

 

 安部元首相とは、そういったリーダーであったと私は感じている。

 

 日本は稀代のリーダーを失ってしまった。