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【慶應高校野球部優勝から読み解く本質とは】

2023.09.09

 「慶應義塾高等学校 野球部 部訓 & 心得」の一部抜粋し記載しましたが、この内容はメディアから発信される慶應高校のイメージとは大きく異なり、意外と非常に昭和的で厳しいという印象ではないでしょうか。

 

 森林監督が掲げる「エンジョイベースボール」というタグライン的なフレーズが非常に明確であり、彼らの求める姿もまた明確に見えるだけに、なおさら彼らの部訓 & 心得は、その対比的にもかなり厳しいと感じる方も多いはずだ。

 私はここにもまた彼らの本質が見えると感じる。

 

 彼らの目的は明確であり、その一つは「日本一を目標とし、古い体質の日本の高校野球に新風を吹き込む」ことである。

 

 学業でも、「学校生活の第一義は学業にある。授業態度の悪い者、学業向上に努力しない者、欠席・遅刻の多い者、学校の教育活動に積極的に参加しないものは、練習や試合に参加させない。」と明確にしており、実際本来3年目なのに2年生という生徒もいたが、これは留年をしていることであり、慶應高校では頻繁にあることらしい。つまり野球しか出来ない生徒は認めないという学校方針が明確であるということ。

 

 身なりや規律もかなり厳しいらしく、それを守れない生徒は試合に出さない程徹底している。

 

 そしてそれらを踏まえて大きなポイントは、それでも彼らは全国優勝したという事実だ。勿論私立なのである程度の選手を集めたのであろうが、それでも3,000校以上の出場校でNo.1になるということは、簡単で偶然の産物ではないことは明白だ。彼らのプロセスばかりが注目されるが、やはり優勝という結果を出したことは彼らのプロセスが間違ってなかったことを証明される。逆に言えば、プロセスがどんなに独創的で素晴らしくても結果が出なければ、ここまでの共感を得られることはなかったはずだ。

 

 彼らはまさに、楽しいことと厳しいことの表裏一体である二つの両輪を同時に動かし、全国優勝という最高の結果を掴み取った。これはまさに疑いもない現実である。

 

 「エンジョイベースボール」 × 「厳しい 部訓 & 心得」 ⇒ 全国優勝

 

 繰り返しになるが、慶應高校野球部はメディア等で長髪や笑顔や美肌など、極めて表面的な部分ばかり取り上げられるが、そこに見えない厳しい部分も乗り越えてきた彼らだからこそ、全国優勝という最高な結果をもたらしたということ。その本当に大切な「本質」を見るべきだと強く感じた今回の夏の高校野球であった。

 

 前年優勝した仙台育英高校の生徒もまた素晴らしかったが、本当に今の高校生は素晴らしい。ちなみに今の高校生とはまさにZ世代であり、やはり彼らから学ぶ点は非常に多いことも気付かされた。

 彼らの可能性は無限大だ。