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【大躍進 島根大社高校】

2024.08.22

 オリンピックも閉幕しその興奮も冷めあがらぬ前に、日本では甲子園が開幕。

 

 今年の主役は我らが山陰地方・島根県代表の大社高校であったことに異論は少ないはずです。彼らの躍進は数年前の秋田県代表・金農旋風を思い出させるような快進撃でした。

 

 初戦は今春の選抜高校野球大会で準優勝した報徳学園(兵庫)勝利。そして2回戦はこちらも強豪、創成館(長崎)に延長十回タイブレークの末、スクイズで劇的勝利。

 

 素晴らしいのは、大社高校は県立高校でもあり、ベンチ入りしている選手は基本島根県内出身。鳥取の次に少ない人口県である島根において、地元出身者だけでここまでの快進撃は、ここ数年に甲子園では奇跡に近いレベルでしょう。

 

 ちなみに石飛監督自身も大社野球部のOBであり、選手時代は内野手で、現在は同行で教諭を務めていらっしゃるとのことで、まさに生粋の島根の県立高校。

 

 そして大社高校のレベルアップした一因に、「昭和デー」と呼ぶ練習があるらしい。月に数回、大雨の日に30分ほどグラウンドで泥まみれになりながらノックおこなうらしい。ドロドロになりながら、昭和時代のようにボールへ頭から飛び込み、ミスをしたらまたボールを追いかけるという、まさに昭和であり現代ではありえないような練習方法。

 

 現代の高校野球において、「昭和デー」は時代の流れに逆らっているようにも見えるが、これを選手も歓迎しており、これによって本当に勝ちたいという気持ちが強くなったと語っているらしい。

 

 確かに日本中から集めたいわゆる野球エリート達と戦うためには、普通のことをしていては勝てないということは、監督も選手も分かっているからこその選択肢なのかもしれない。

 

 高校野球とは学生スポーツであり、勝ち負けが全てではない。しかしながら勝たなければ得ることが出来ないモノがあることもまた現実である。昨年の甲子園優勝校の慶応高校とは全く逆の、昭和の泥臭い野球で躍進した大社高校。地方が都会に勝つための真髄が、そこにあるのかもしれないと感じてしまうほどの大躍進であった。

 

 大社高校の選手、監督、そして関係各位の皆様に、心からの尊敬と拍手を送りたいですね。

 地方県立高校による、地元メンバーだけでの大躍進。高校野球とはプロ育成フィールドではなく、高校教育の現場であることを再認識させてくれた大社高校。大あっぱれ!ですね!!