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【アイスブレイク Q&A】

2025.06.01

 今回のキックオフミーティングでご紹介したアイスブレイクに対して、多くの反響をいただきました。

 

 出題した問いの「正解」は・・・ 「分からない」 です。

 

 少し意地悪に聞こえるかもしれませんが、ロジカルに考えると、この問題には正解を導くために必要な十分な情報が与えられていないため、「分からない」が唯一の正しい答えとなります。

 

 実はこの問いは、世界的にも知られた問題であり、もっとも多い誤答例は「125 ÷ 5 = 25歳」というものらしいです。提示された数字が「125頭の羊」と「5匹の犬」のみであるため、つい反射的に割り算をしてしまうのです。

 

 このアイスブレイクの本質的な目的は、問題の内容そのものよりも、「日本人が陥りがちなバイアス」に気づいてもらうことにあります。

 

 特に日本の教育をしっかりと受けてきた人ほど、次のような思考傾向があります。

 

* 問題文をきちんと読めば、必ず数値的な答えがあるはずだ

* これは算数の問題だから、計算して答えが出るはずだ

  ⇒ 「問題とは、必ず答えがある」というバイアス

 

 10代の多くの学習体験では、「問題があれば答えがある」という構造が当たり前だったはずです。それ自体は否定されるものではありません。しかし社会に出ると、特にビジネスの現場では、「必ずしも答えが用意されているわけではない」 という現実に直面します。

 

 今回のアイスブレイクは、その現実をあえて可視化するために用意したものです。

 

「わかりません」と言える勇気

 

 また私たち日本人には、「わかりません」と答えることに対する心理的な抵抗感があります。答えられないと、黙り込んだり、自信を失ったり、あるいは無理やり理屈をつけて不完全な答えを出そうとしてしまう。そんな経験を誰しも持っているのではないでしょうか。

 

 結果として、不毛な議論を生み出したり、無意味な自己否定につながってしまうこともあります。

 

 もちろん思考を放棄するべきだと主張しているわけではありません。安易に「分からない」で済ませてしまってよいという話ではありません。しかし論理的に導き出せない状況において、無理やり導き出した答えは “非論理的” なものになりかねず、それは往々にして大きな問題を引き起こす可能性があります。

 

 「わからない」と答えることは、思考を放棄した証ではなく、情報が不足している現状を受け入れる“勇気ある判断”です。この不確実性の高い時代において、こうした態度こそがむしろ重要になってくるのではないでしょうか。

 

 今回のアイスブレイクは、そんな 「わからない!」 と答える勇気を持つことの大切さ を皆さんに感じていただきたい。そんな想いを込めて、企画・実施いたしました。いかがでしたでしょうか?いじわる問題だというクレームは一切受け付けませんので・・・(笑)