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【Cooのふるさとへ ~前編~】

2025.08.31

 この8月は仕事のため北米に滞在しており、展示会視察、商談、メキシコ工場の訪問など、多忙な日々ではありましたが、今回は少しだけ特別なプライベートプランがありました。

 

 実は今回日本から家族を呼び寄せて、6年ぶりに家族4人での旅行を実現できました。本当に久しぶりに家族そろってことで、以前からお世話になった仲間や友人、恩人の方々とお会し、成長した子供たちを会わせることで、非常に楽しく大切な時間を大切な方々と共有するというありがたい時間となりました。

 

 最後に家族全員揃って北米来たのは、まだコロナ前の2019年。コロナが落ち着いた頃には、我が家の愛犬Cooが高齢となり、病を抱え、常に誰かが介護のために家にいなければならない状況でした。だからこそ、“家族が揃う”ということ自体が、私たちにとっては特別なこと。

 

 だからこそ今回の旅行は、ただの「家族旅行」ではありませんでした。
実はこの旅には、我々にとって非常に大切な目的がありました。

 

 それは昨年11月に亡くなったCooを“ふるさと”に還してあげること。

 

 Cooは2009年にアメリカ・サウスダコタ州で生まれ、私たちがかつて暮らしていたカリフォルニア州レドンドビーチの家に迎え入れた、本当にかけがえのない存在。一般企業で働いていた当時の私は、今以上に仕事で忙しく、出張で全米中をかけまわっており、それこそ家には今以上に不在にしている状況でした。そんな私たちにとってCooは心の癒しであり、毎日を整えてくれる存在でした。

 

 彼女が家に来てからの私はの生活は一変し、必ず毎朝6時から近所を散歩し、海沿いの芝生でフリスビーで彼女と遊ぶのが日課となり、家の横のレドンドビーチの丘の上にある、その芝生の広場、そこが私たちとCooが何よりも愛した場所。

 

 あれから15年。彼女は日本で家族とともに年月を重ね、たくさんの笑顔と愛を残して昨年11月に静かに旅立ちました。だからこそ私たちは、今回の旅行でCooが大好きだったその芝生に、家族揃って彼女を還しに行こうと決めていたという流れです。

 

 家族で過ごす時間、再会した友人たちとの語らい、そして何より、Cooとの約束を果たすための旅。それは、私たち家族にとって何ものにも代えがたい、深く静かな時間となったのです。