CEO blog   |  【 慶應ビジネススクール 「フィールド授業」 後編 】

CEO blog

【 慶應ビジネススクール 「フィールド授業」 後編 】

2026.08.12

 最終発表を聞きながら、私は何度も驚かされました。5チームそれぞれが異なる角度から弊社を分析し、強みだけではなく課題まで踏み込みながら、今後の川口グループが進むべき方向を本気で考えてくれており、それはもうこちらの心にしっかりと響く内容ばかりでした。

 もちろん、いただいた提言をすべてそのまま実行できるわけではありません。しかしその多くは新工場プロジェクトや2030年へ向けたグループ戦略を考える上で、極めて価値の高い示唆を含んでいました。

 何より私が嬉しかったのは、発表内容の奥に

 「我々の会社をもっと良くしたい」

 という想いを感じたことです。単位を取得するための授業ではなく、一つの企業の未来に本気で向き合ってくれていることが伝わってきました。だから私は、この4か月間でいただいた提言を、その場限りの資料にはしたくありません。早速社内でアウトプットし、具体的な検討へ移し、「KBS E11メソッド」として一つひとつ経営へ落とし込んでいきたいと思っています。

 皆さんが仕事を持ちながら費やしてくださった膨大な時間、議論、そして情熱。それに対する最大の恩返しは、感謝の言葉だけではなく、我々自身が実践し、結果を出すことだと思っています。数年後、「あの時の提言が、今のリバードを創った」と胸を張って報告できるようにする。それが今回フィールドとして選んでいただいた企業として、そして経営者として、私が皆さんへできる最大のお返しだと思っています。

 そして今回、改めて考えさせられたのが、生成AI時代における「人の価値」です。AIは膨大な情報を集め、分析し、驚くほど短い時間で答えらしきものを提示してくれるようになりました。しかし今回E11の皆さんから感じたパッション、現場で交わした会話、異なる専門性を持つ仲間同士がぶつかりながら一つの提言を創り上げるプロセスは、決してデジタルだけでは生み出せないものだと思います。

 結局、最後に人の心を動かすのは、人なのかもしれません。そして人の心が動いた時にこそ、組織が動き、新しい挑戦が始まり、企業の未来が変わっていく。今回のフィールド授業は、そのことを改めて教えてくれました。これは我々川口グループにとっても同じです。設備やテクノロジーへの投資はもちろん重要ですが、最後に企業の競争力を決めるのは人です。だからこそ、我々も人への投資を何より大切にしなければなりません。

 そして私は今回出会ったE11の皆さんを、授業が終われば関係も終わる方々だとは思っていません。むしろ今回の4か月間をきっかけとして、新しいご縁が始まったのだと思っています。それぞれのメンバーには、それぞれが戦っている「フィールド」があります。大都市の大企業もあれば、我々のように鳥取から世界を目指している地方企業もあります。しかし、挑戦する舞台に大きいも小さいもありません。

 それぞれのフィールドで本気で挑戦し、価値を創り、社会へ貢献していく。そして時には再び集まり、お互いが成長した姿を確認し、また刺激を与え合う。今回の出会いが、そんな関係へ繋がっていけば最高だと思っています。

 河野教授をはじめとする教授陣の皆様、そしてE11メンバーの皆さん。リバードコーポレーションという企業をフィールドに選び、4か月もの間、本気で我々の未来と向き合ってくださったことに、心から感謝申し上げます。今回いただいたものは、単なる経営提言ではありません。人の知識、経験、情熱、そしてご縁が詰まった、我々にとって大切な財産です。

 またいつの日か、それぞれのフィールドで成長した姿で再会できることを、心から楽しみにしています。

 本当にありがとうございました。