「人財育成とは」- KGP Learning Weekを終えて
2025.12.1912月15日から19日までの5日間、我々川口グループでは「KGP Learning Week」と題した社内成長週間を初開催しました。
この一週間で実施されたのは、ワークショップ、セミナー、オリエンテーションなど全15コマ。コミュニケーションスキル研修、生成AIプロンプト活用ワークショップ、マーケティング勉強会、新商品ローンチの共有会、そしてパーパスに紐づく哲学対話型セッションなど、多様な切り口の学びが展開されました。
講師は、外部の専門家、グループのマネジャー陣、そして私自身も登壇しました。各プログラムは、全社員が自由に選んで参加できる形式で、スーパーバイザー以上に向けた専門講座も用意されました。
「通常業務があるので参加できません」
これが日本企業でよく耳にする言葉です。けれど、私たちは真逆の発想を持っています。
「これもまた、最重要の“業務”です」と。
成長とは、日々のルーチンの延長線上にだけあるのではありません。未来の自分たちを形づくる「今この瞬間の学び」 こそ、業務以上に尊く、尊重されるべき時間なのです。
実際、Learning Week期間中は、いくつかの製造ラインを一時的にストップしました。これは、製造業にとっては非常に稀有で勇気の要る決断です。モノを作って価値を生む私たちが、あえてその手を止めてまで、人づくりにリソースを割いた。
なぜそこまでして取り組んだのか。それは、「人こそ企業のすべて」だと、私たちが信じているからです。
川口グループには、3つのバリューがあります。
【 プロフェッショナルチャレンジ ~挑む~ <迅速挑戦力あるプロビジネス人財> 】
【 アーティスティックイノベーション ~創る~ <芸術的な独創革新力ある人財> 】
【 オーガニックソリューション ~導く~ <本質的人間力で課題解決できる人財> 】
これらの価値観は、理念だけでは意味がありません。全員が「行動で示し、体現してこそ」グループの文化となり、力になります。そしてその礎となるのは、一人ひとりが自分を磨く機会と時間です。
Learning Weekは、ただの社内イベントではなく、私たちが「人を育てる企業でありたい」と願う覚悟の表明でもありました。
日本企業は長年、OJT(On the Job Training)という言葉のもと、育成を現場任せにしてきました。確かにそれには良さもあります。しかしそれだけではもう通用しない時代に私たちは立っています。社員一人ひとりが、より複雑な課題と対峙し、自律的に学び、挑戦していくためには、構造化された学びの場が不可欠です。
Learning Weekの各プログラムは、1コマ1.5時間〜4時間と決して短くありませんでした。それでも連日参加し、真剣な眼差しで学びに向き合ってくれた仲間たち、そしてその目の輝きに、私自身が何度も感動し、心を揺さぶられました。
私たちの役目は、正しい問いを立て、正しい学びの場をつくり、正しい文化を育てることです。一人ひとりが成長し、自分の可能性を信じられる組織にこそ、未来の競争力が宿るのだと思います。
Learning Weekの完走は、ひとつの到達点であると同時に、新しいスタート地点でもあります。
来年、再来年と、これを“当たり前”の文化として根づかせ、
「この会社で働いていてよかった」
と、すべての社員が心から思えるグループであり続けたい。そう強く願いながら、私自身もまた、学び続けていきたいと思います。
【Cooとの別れから一年】
2025.11.1511月10日、この日は胸の奥がぎゅっと締めつけられるような気持でした。愛犬Cooが旅立って、ちょうど一年。
この一年、カレンダーの上では365日。でも私たちにとっては、あの日から今までがひとつの連なった時間のように感じられます。彼女の匂い、柔らかな毛並み、最後にそっと握った小さな前足。静かに目を閉じたその瞬間、我が家の時間はたしかに止まりました。
けれども、日々は容赦なく流れていきます。私たちはCooがいない日常を、少しずつでも確かに歩んできました。この一年、彼女の気配を感じない日は一日としてありません。朝の目覚め、玄関の音、Cooの夕食の匂い、夜の静けさ。そのすべてに、彼女の存在が深く染み込んでいたことに、改めて気づかされました。
命日には、家族でCooの仏壇に、ペット用の小さなケーキをお供えしましたが、これは生前、年に一度だけ食べさせていたお気に入りのケーキ。「また来年ね」と微笑んでいたあの日のCooの顔が、ふいに胸に浮かびました。
遺骨の一部は、今も骨壺に大切に納めてあります。そしてこの週末、大きな骨以外の遺灰を、庭に撒く準備をしました。あの子が元気に走り回っていた、あの場所に。それは「さよなら」ではなく、「おかえり」と声をかけるような、やさしい儀式。
Cooは、私たちの真の家族でした。ただの犬ではなく、人生のよろこびも悲しみも、すべてを共に過ごした、かけがえのない存在。その事実は、彼女がいなくなった今も、変わることはありません。
ふとした瞬間に、「今もどこかにいるんじゃないか」と思うことがあります。鳴き声の空耳が聞こえて、思わず振り返ることもあります。あの子が好きだった場所の前で、立ち止まってしまうことも。きっと今も、私たちのそばにいるのだと思います。姿は見えなくても、気配は確かにあるのです。
「次の犬は迎えないんですか?」
と尋ねられることもありますが、まだその気持ちにはなれずにいます。また新しい命と出会うことの素晴らしさを否定するつもりはありません。でも、Cooが残してくれた深すぎる愛が、まだ心の奥で脈打っている今、その空白に誰かを迎える準備ができていない自分がいることも、また正直な気持ちです。
そしてそれでいいのだと思っています。無理に前を向こうとしなくても、過去にしがみつく必要もなく、ただ彼女と過ごした日々を、静かに、丁寧に心に抱き続けていたいのです。それは悲しみではなく、たしかにそこにあった「愛」のかたち。そして、その愛はこれからも、形を変えて生き続けていくのだと思います。
今でもスマホを開けばCooの写真や動画がたくさん残っています。寝顔、ごはんの時間、散歩道、膝の上で甘える顔。そのどれもが、私の人生の宝物です。何度見ても涙が溢れますが、少しずつ、その涙に微笑みが混ざるようにもなってきました。
Cooが私たちに教えてくれたことは、数え切れません。無条件の愛。信じるということ。寄り添い合う強さ。そして、今この瞬間を大切に生きること。
犬は未来を案じたり、過去を悔やんだりしません。ただ「今」を全力で生き抜く。その姿を、私たちは毎日見せてもらっていたのです。その教えは、どんなビジネス書にも載っていない、人生で最も尊い学びの一つでした。
今日もまた、Cooの遺影にそっと手を合わせ、「ありがとう。ずっと大好きだよ」と心の中でつぶやきます。そのたびに、また少しだけ、前に進める気がします。
Thank you, Coo. You may no longer be by our side, but you’ll always be in our hearts. Because love like yours never leaves. It simply finds a new way to stay.
Some angels never fly away. They just change shape and stay.
「勝者の文化」はこうして創られる
2025.11.09ドジャースの2025年ワールドシリーズ制覇は、単なる選手層の厚さやスター選手の揃い踏みだけで達成されたわけではありません。その背景には、強固な組織文化と、“個の覚悟”を最大限に活かすマネジメントの存在がありました。
山本由伸の魂の投球、大谷翔平の沈着冷静なリーダーシップ、そして佐々木朗希のフレッシュな存在感。いずれも極めて優秀な個人であると同時に、「チームの勝利」を最優先にする精神性が貫かれていました。これは、勝者の文化を育む上で極めて重要な要素です。
多国籍で構成されるメジャーリーグ球団において、「個性」と「協調」をどう両立するかは永遠の課題です。異なる価値観、言語、育った環境。その中で結果を出すには、“全員が一丸となる”だけでは不十分。各選手が「自分の役割と責任」を理解し、それを徹底してまっとうする“プロ意識”が欠かせません。
今年のドジャースはまさにそれを体現していたと言えます。たとえば、山本投手が第7戦のクローザーを志願した裏には、チームメイトや首脳陣の信頼、コンディション管理チームとの密な連携、そして「信じられている」という確信がありました。その「信頼される組織風土」こそが、極限状況下での判断と挑戦を後押ししたのです。
ビジネスの現場においても同様です。変化が激しく、競争の激しい環境下で、個人が100%の力を発揮できるかどうかは、組織の空気や上司の覚悟に大きく左右されます。メンバーのチャレンジを支え、時に任せる勇気を持てるリーダーがいるか。その積み重ねこそが、やがて“勝者の文化”を築くのです。
またドジャースの勝利には「競争と共創のバランス」がありました。主力が競い合いながらも互いを称え、若手を育て、控えの選手も出番に備えて常に準備している。全員がチームの勝利のために自分にできる最善を考えて行動していたことが、シリーズを通して見て取れました。
これはまさに、今私たちが組織づくりにおいて目指すべき姿ではないでしょうか。一人ひとりが「自分の出番は必ず来る」と信じ、常に全力で備える。そしてその舞台が来たときに、迷わず、恐れず、飛び込む勇気を持てる環境。それを整えるのは、経営者やリーダーの責任です。
2025年のドジャースが成し遂げたことは、「勝つべくして勝った」結果であり、「信じ合い、任せ合い、引き出し合う」カルチャーが支えた勝利でした。そしてそれは、すべての企業組織にも通じる“再現性のある成功モデル”でもあります。
スポーツとビジネスの本質は、「人を信じ、人に任せ、そして人を動かす力」にある。その原点を、ドジャースというチームから私たちは改めて学ばせてもらいました。




