【インターペット出展 2019】
2019.04.013月28日から4日間、国内最大ペット業界展示会である、インターペット2019が東京ビックサイトにて開催され、今年もリバードペットとして出展してまいりました。
弊社も過去最大人数である6名を鳥取から派遣し、4日間朝から晩まで一生懸命頑張ってくれました。
昨年から印象が強くなったことが、とにかく外国人バイヤーの多さ。去年のこのブログにも書きましたが、今年は更にその印象が強かったですね。
業界の訪問者数での比較だと、国内に対して海外のお客様は25%ほどと感じる程でした。
これは3年ほど前だと、せいぜい1~2%程であったと感じる数字でしたから、今年は尚更驚きました。他に出展されている同業者との立ち話でも、皆さん異口同音に仰っていたので、やはり年々急速に増えているんでしょう。
しかし何故にここまで外国人バイヤーが増えたのか。理由はいくつかあります。当然、海外富裕層を中心とした、高品質Made in Japan製品の安定した人気。ここ数年のインバウンドの急増から日本製品に人気拡大。
そして皮肉を込めて言えば、安定した「円安」と「デフレ」が大きな要因であると感じます。
要するに日本製品は安いんです。ってか、日本って何でも安いんです。このインバウンド急増は、結局日本に旅行するのが以前と比べて格段に安いということです。
だから、海外バイヤーは高品質で安い日本製品に飛びつくというわけです。
今でも私がアジアのどこどこに出張するというと、「なんでも安いんでしょ?」って言われることが多々あります。いえいえ、アジア諸国でも日本よりよっぽど高い都市はいくらでもありますよ。軽くランチするだけで、結構いい値段取られますから。
やはり大半の日本人にとって、日本はまだまだアジアの盟主であり、日本の物価はとんでもなく高いという固定概念がぬぐえないんですよね。
現在日本のGDP(国内総生産)は第3位。この表現がやっかいなんですよね。それは、日本を世界3位の経済大国とみてしまうということ。しかし現実日本の人口は世界10位で、日本より上位の国は、アメリカ・中国を除くと全て発展途上国なんです。
要するに日本は経済大国であると同時に、人口も非常に多い国となるわけですから、当然のことながら、人口が多い国ほどGDP順位が上になりやすいというわけですね。
その反面、日本の一人当たりの名目GDPは、なんと26位。国としての金額はそれなりだけど、個人としては世界26位というわけです。この順位はアジアでも、香港・マカオ・シンガポールより下になります。
結局日本は一人当たりのGDP直すと、実質そこまでではないということです。
振り返ってみると、日本国民の大半がこの20年間物価が上昇した感はほぼ無いと感じるでしょうから、この結果は当然です。これが俗にいう失われた20年ということです。
だから、外国人バイヤーが増え、外国人観光客が増えるというわけです。
インターペットに出展するだけで、それらの世界を垣間見ることが出来るのもまた面白いことだと感じます。そして大切なのはこの現実をどれだけ理解し分析し、我々の将来に繋げていくかということです。
要するに海外進出を加速するということは必然であり、海外進出しなくては、我々の未来は限りなく頭打ちとなる可能性が高いということです。
企業とは「ブルーオーシャン」に進み続けなければならないということを強く感じる、インターペット出展でした。
【イチロー引退会見を見て ②】
2019.03.31イチロー引退会見で、実は最も衝撃を受けた一つに、「一弓」の名前が出たことだ。これはネット上でも大きな話題になった模様で、共有者が沢山いることを非常に嬉しく思った。
その一弓とはイチロー家の愛犬の柴犬。イチローと弓子夫人との名前から取ったのだろうが、私も10年以上前にイチローのドキュメント番組で見たのが最後だったが、ファンにとっては超有名犬である。
しかしここ数年、全く近況を明らかにされておらず、正直失礼ながらまだ生存しているとは思っておらず、本当に名前が聞けただけで感動した。
一弓が発端になったかどうかは微妙だが、2000年代アメリカでは結構な柴犬ブームだった。発音は、「シバイ~ヌッ」(イにアクセント)。本当に街で散歩しているオーナーが沢山いたし、シバイヌは今でも普通に英語となっていて、普通にアメリカ人相手に通じる単語。
私はペット関係の仕事をしているからというより、元々生粋の愛犬家なので、実はずっと一弓のことは気になっていた。10数年前、そのドキュメント番組でイチローの定番朝カレーの後、一弓とソファーで戯れるシーンの笑顔が、今でも目に焼き付いている。まさに勝負師が仮面を脱ぐ数少ない瞬間。
犬の寿命は年々飛躍的に伸びている。私が子供の頃から比較すると、倍近いらしく、小型犬の犬種によっては15歳前後は普通らしい。一般的に言われるその理由は、当然のことながら医学の進歩とドッグフードの品質向上。
しかしそれにしても、中型犬である柴犬の17歳は凄い。
イチロー会見中、一弓の話題になった際、記者一同和やかな雰囲気になったようだが、逆にイチローは真剣な顔つきだったらしい。私は現時点でまだ引退会見を見ていないので、あくまでもニュースの描写だが、イチローだけ明らかに違ったようだ。
私の見解として、一弓がイチローを支えていた家族だったことは容易に想像できる。私も我が犬に、日々支えられ癒されていることを実感出来るし、自分の日々のエネルギーは我が愛犬から、とんでもない程貰っている。
犬の17歳とは、人間年齢でいう100歳を超えるという。イチローの現役引退を発表された今、一弓が一日でも長く生きて欲しいと心から思う。
一説によると、犬にとって最も嬉しいことは、ご飯の時間でもなく、遊びの時間でもなく、飼い主と一緒に過ごす時間らしい。一弓は17歳と長く生きているが、現実として遠征続きで1年の半分以下しか家にいないMLBプレーヤーのイチローと過ごした時間は、かなり少ないことは容易に想像出来る。
一弓が17年間寂しい思いをしたんであろうこともまた、容易に想像出来る。大きなお世話だが、これからの余生を、少しでも長くオーナーと過ごしてほしいと切に思う。
世界のイチローを間近で支えてきた、陰の最大の功労者でもある一弓にも、心からお疲れ様と言わなくてはならない。
【イチロー引退会見を見て ①】
2019.03.25まだアメリカ出張中なのでネットで文章で読んだだけだか、やっとイチロー引退会見に目を通した。
読んだだけなのに正直感動しすぎて映像が見たいと思わなかった。見たら涙腺崩壊しそうで・・・。ネットニュース見ていると、リアルタイムの引退会見中継では、やはり深夜に見ながら涙を流す人々が続出したとか。
しかし文章だけでも、この会見がいかに素晴らしかったが分かる。以前はサイボーグのように言われ続けたイチローが、最後に最高に人間味のある会見をしたことに、大きな意義があるように感じたのは私だけではあるまい。
深夜に関わらず、1時間半近くもの長い会見は全てを物語っていたというように、私からしたら後世に残る「伝説の引退会見」であったようにすら感じた。
その全てに共感できる部分、彼が天才過ぎて凡人の私には理解できない部分とが交錯するところまで、その高みと深み感じる。
その中で私の特に強く感じた部分の一つが、最後の彼の言葉。
”アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。
孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています。”
彼は私の何十万億倍ものプレッシャーや苦悩と戦い続けてきたアスリートなので、自分とラップさせることすらおこがましいが、この「外国人」であることというのは、非常に気持ちの上で共有できた。
周りから見ると、海外生活は華やかであったり、憧れであったり、羨望の眼差しで見られることが多々ある。が、しかし現実は、日本で生まれて日本で育って生活をしているときより、楽しいことも多いが、同時に辛く苦しいこともまた多いということだ。
何故ならば、外国では我々は「外国人」であるからだ。イチローが言うように、基本は「孤独」である。家族、親族がそばにいないのだから当然であろう。
海外で暮らしていると、誰しも少なからず差別的な扱いを受ける可能性が高い。私も数多くはないが、やはり同様の経験はあった。嫌がらせをされたり、心無いことを言われたりしたことも多々あった。初対面の相手から、私が外国人というだけで、いきなりというパターンもだ。
しかし今となっては、それも新聞やニュースを見るのではなく、経験したことが自分にとって大きかったと振り返れる。
そこに苦悩や苦しみがうまれるが、同時に他人に対する優しさもより深まる。外から来た人を受け入れる思い、二度と会わないだろう人に対しても、その瞬間を大切にしたいという気持ち。
そういった嫌な思い出も、今となっては自分の糧となり、ありがたく感じるようになった。
実は私にとって、こういった感性を持てるようになったのは、イチローの存在が少なからずあった。彼の活躍や一挙手一投足が、私の外国生活の大きなエネルギーになったことは間違いない。これは外国生活をしている沢山の日本人が同様であっただろうことは容易に想像できる。
彼の活躍のお陰で 「日本人であることが誇り」であったからだ。
彼の引退会見後の、Facebook等のSNS上での私の友人を含めて外国に住んでいる日本人からのコメントが心にしみる。皆、私と同じだったんだと。皆、彼に助けられ、彼のお陰で頑張ってこれたんだと。
彼の功績は野球だけでなく、沢山の外国人となっている日本人を支えていたことに、誰も異論はあるまい。少なくとも私は、彼のお陰で日本人であることを誇りに生きてきたし、これから先も日本人であることが世界に誇れることだと確信している。