CEO blog

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【東京オフィス スタート】

2021.10.19

 2021年10月11日(月)リバードコーポレーション㈱ 東京オフィスを開設致しました。

 

 これは今まで以上に、従来の東日本のお客様に対するフォローの強化、そして鳥取にて製造したものを全国、海外へ展開することを目的としたセールス拠点オフィスとなります。

 

 オフィスは、東京都港区浜松町駅近くのソフトバンク本社ビル 「東京ポートシティ竹芝」 ビル 10F、wework内になります。

 

 weworkというのは、シェアオフィス・コワーキングスペースのアメリカ企業になります。簡単に言うと、我々がweworkオフィス内を間借りしているイメージですが、勿論弊社のデスクを並べたプライベートオフィスルームが確保されており、プラス、共有スペースがあり入居企業者は皆、そこを自由に使うことが出来ます。

 

 いわゆる、今時のIT企業っぽい雰囲気のワーキングスペースで、共有スペースには音楽がガンガンかかっており、自由に飲めるドリンク等、更に夕方からは生ビールサーバーが稼働し生ビール飲み放題。日本企業のオフィスイメージと真逆の雰囲気です。

 昨年オープンのビルで、同時スタートしたweworkオフィスなので、当然綺麗で解放感は素晴らしく、10Fロケーションですが窓の外はスカイツリーや東京タワー、更にお台場と景色も申し分ありません。

 

 このwework、日本登場する前から個人的に興味ありましたが、その理由とはweworkのコンセプトです。

 

 彼らは単にシェアオフィスというだけではなく、入居各企業の異業種交流を盛んに行うことがweworkの特色となります。今は、コロナ禍なのでほぼほぼ自粛していますが、本来この時期ですとwework内でハロウィンイベントが入居各社と共に行われることで交流を図ったりというものが、年間通じて多々開催されます。更には各社の商品を展示するスペースがあり、それにより他社同士の商品や特色をじかに目する機会があり、それはまさに小さな展示会のようなイメージです。

 

 これにより、各社がマッチングすることで売り買い取引が始まったり、全く新しいビジネスのシナジー効果やイノベーションががうまれる可能性があるわけです。

 このコロナ禍で、オフィスの存在意義も問われる時代がやってきました。製造業ではれば生産するために当然オンサイトでしかビジネスは出来ませんが、数字という成果が問われるセールスオフィスでは、出社する意味を企業・個人が自問自答する機会が増えたと思います。

 

 要するに出社しなくてもテレワークで十分仕事出来るじゃん!っという理屈に日本人全体が気付いてしまったということです。

 そうなるとセールスオフィスは軽くするべきという理論が成り立つわけです。勿論未来永劫このweworkに入居し続けるとは思っていませんが、まずはスタートアップという意味では身軽でコストリスクも問題ありません。幸い昨年オープンしたばかりの新築オフィスなので、コロナ禍ということもあり入居率はかなり低く、仕事をするうえで極めて快適です。

 

 東京という地での、当社の新しい可能性と更なる飛躍に大きな期待をしてしまう、そんな東京オフィスです。    

【ノーベル物理学賞 – 調和力】

2021.10.10

 前回、真鍋さんノーベル物理学賞受賞に関し、「好奇心」についてブログを書きましたが、この記者会見で個人的に最も興味深かったのは、記者が真鍋さんに、なぜアメリカ国籍に変更したのかという質問でに対する真鍋さん御自身の回答。

 

「おもしろい質問ですね。日本の人々は、いつもお互いのことを気にしている。日本の人々は、非常に調和を重んじる関係性を築きます。お互いが良い関係を維持するためにこれが重要です。他人を気にして、他人を邪魔するようなことは一切やりません。

 

 だから、日本人に質問をした時、「はい」または「いいえ」という答えが返ってきますよね。しかし、日本人が「はい」と言うとき、必ずしも「はい」を意味するわけではないのです。実は「いいえ」を意味している場合がある。なぜなら、他の人を傷つけたくないからです。とにかく、他人の気に障るようなことをしたくないのです。

 

 アメリカでは、他人の気持ちを気にする必要がありません。私も他人の気持ちを傷つけたくはありませんが、私は他の人のことを気にすることが得意ではない。アメリカでの暮らしは素晴らしいと思っています。おそらく、私のような研究者にとっては。好きな研究を何でもできるからです」

 

 真鍋さんにとって、アメリカではやりたいことが出来るということが非常に大きいのだという。これは先日のブログに記載の通り、潤沢な研究費用があるというバックグラウンドも大きな理由の一つでしょう。その上で彼の最後の言葉が印象的でした。

 

「私はまわりと協調して生きることができない。それが日本に帰りたくない理由の一つです」

 

 会場では笑いが沸き起こっていましたが、私にとっては深く考えさせられる言葉でした。確かに日本はまわりと調和しなければならないという教育の元、それは最低限の社会ルールだと教えられて生きています。

 

「人に迷惑をかけてはいけません」

 

 日本人であれば、誰しも人生の中で一度は誰かに言われてきた言葉だと思います。しかしそれは本当にそうでしょうか?もちろん犯罪になるようなことで人に迷惑をかけることは論外ですが、一般生活の中で人に迷惑をかけるということは、日常の必然ではないでしょうか。迷惑レベルにもよるでしょうが、そこに必要以上にこだわることにより、遠慮がうまれ個性を発揮するチャンスを奪われているのかもしれません。

 

 かといって、「協調力」は日本人の大きな強みであり、これにより組織が強固になる例は多々あることは周知の事実です。

 

 結局は昔からある、「個」vs「組織」というどちらを重んじるのかという、民族性や国の文化に繋がるところなので、簡単にはどちらが正しいという議論は不可能だとは思います。

 

 要するに私レベルでは答えの分からない比較ですが、それでも真鍋さんの言葉には考えさせられる部分が大きいですね。

 

「調和力」

 

 これもまた、真鍋さんから感じた「好奇心」からきている言葉かもしれません。いずれにしても深く考えさせられ、大きな刺激になった真鍋さんの会見でした。

【ノーベル物理学賞 – 好奇心】

2021.10.09

 今年のノーベル物理学賞に、アメリカ・プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎さん(90)が受賞というニュースが舞い込んできました。

 

 90歳という年齢を感じさせない程、ユーモアとウィットにとんだ記者会見で、全ての方々を笑顔にさせる素晴らしい内容でした。これは研究者ならではなのか、アメリカ在住が長いからなのか、とにかくセンスあふれるコメントに感嘆した日本人も多いのではなかろうか。

 

 「私はいきなり何かを考え始める。すると、運転中も信号にも気を配れなくなる。でも妻はグレートドライバー。私は100%研究に集中できる、中華や和食、イタリアン。毎日、妻の料理を楽しんでいる。食事に関して私は最も恵まれた人間だ」

 

 真鍋さんの奥様に対する感謝の気持ちの言葉にも、会場には笑顔と笑いが起きていました。伝え方も、言葉のチョイスも全てが素晴らしく、聞く者の心を惹きつける力が真鍋さんにはあるということでしょう。

 

 そして奥様のお陰で研究に没頭出来たという感謝の言葉の後、御自身の研究に突き動かせた原動力をこうコメントされていたのが印象的でした。

 

「60年代には、気候変動がこれほどの大問題になるとは想像していなかった。研究を突き動かしたのは好奇心。最も面白い研究は好奇心によって行われたものだ」

 

 繰り返し、「Curiosity(好奇心)」 を言葉として強調されていました。それだけに、日本の現状については

 

「好奇心に基づく研究が少なくなってきているのではないか」

 

 現実問題として日本は研究費がそこまで大きくない為、長期的ビジョンでの研究が出来る環境が無いのであろう。即結果が出ないものには投資が出来ないのだろうという推測は容易に出来る。日本とアメリカでは研究環境が大きく違うがゆえに、いくら好奇心に基づいても研究費用が捻出されないということは多くの研究者のジレンマでしょう。

 

 それでも「好奇心」という言葉を、90歳の方が繰り返し発言されるというのは新鮮以外の何物でもありません。人は生涯勉強し続けることが出来る生き物だということを御自身で証明されていらっしゃるということですね。全ての研究は好奇心からというのは良く言ったものですが、我々一般人の人生も同じだと思います。

 

 我々の人生もまた「好奇心」からスタートし、何かに発展していくものなはずですし、そうあってほしいと私は思います。「好奇心 = 興味」であり、これがあるからこそ人生は豊かになり、何かのモチベーションになり、生きるための大切なものを与えてくれる大切な要素だと感じます。

 

 多くの日本人が良く言うフレーズに、「若い頃、勉強しておけば良かった」っと、誰しも一度は聞いたことがあるかと思います。これを聞くたびにいつも不思議に思いますが、人の人生とは最後の時まで勉強できるわけで、どうして勉強することが若い時代の専売特許みたいになっているのだろうかと。

 

 「勉強しておけば良かった」と思うなら、「今勉強すればいいのに」っと普通に思ってしまいます。大学生とは20歳前後の専売特許ではありません。何歳になっても大学行けばいいし、実際大学が20歳前後と考えている国は、日本くらいのもので、他のどの国でも年配の方々が普通に通っています。

 

 日本人の固定観念から、学ぶことが若者だけのものになっているのは残念でなりません。言い換えれば、「好奇心」を持つことは若者でなければならないとも聞こえなくないということですよね。

 

 しかしこういったことを考えれば考えるほど、90歳でなお「好奇心」を追い求めている真鍋さんの偉大さと素晴らしさを感じずにはいられませんよね。だから我々凡人との違いといえばそれまでですが・・・。それでも「好奇心」を追い求めた人生を歩みたいという気持ちは強く持てました。

 

 そういった意味でも、そういった90歳の真鍋さんに対して、「好奇心」を持ってしまった会見でした。