CEO blog

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Facebook提訴 ~後編~

2020.12.15

 ポイントは二つあります。

 

 一つは、Facebookのビジネス展開手法。彼らは基本は贅沢な資金力によって、ひたすらM&Aを繰り返す。ここまでは普通のアメリカ系企業の通常スタイル。日本と違い、アメリカでは企業をスタートアップさせ、それをいかに高く売ってしまうかというのがベンチャー企業の狙いであり、それを購入する大企業がいるので市場原理としては成り立っているし、当然これは資本主義社会として全く問題ない。

 

 しかしFacebookは、将来ライバルになりうる新興勢力企業をM&Aし続けてきており、それが出来なければ、そのマーケットから締め出す俗にいう、「M&A or 死か」という選択肢を突きつけて成長戦略を辿ったという疑惑が常にあった企業です。

 死というのは物騒な言葉だが、実際Facebook程の大企業、大プラットフォームだと、自社ユーザーの導線がそのサードパーティーへの移動を遮断させることが可能だ。ユーザーが動かない移動してくれないと、広告収入はもとより、体力のないそのサードパーティーはいかにいいアプリであろうと、導線遮断で直ぐに立ち行かなくなることは明白だ。

 

 こういったことがこの10年間に、一つや二つではないことから、FTCはFacebookを以前より狙っていたのだろう。

 

 そしてもう一点が、アメリカという超競争資本主義社会。アメリカという国は、たとえGAFAがアメリカビジネスの代名詞になろうと、そこが独占してしまうビジネスモデルは絶対に許さない。そしてアメリカたる所以が、これらを「創造的破壊」してしまうことだ。

 

 破壊をして新しいものを生み出す、破壊して競争を生み出す、破壊して発展させるという価値観が強烈に社会に根付いている。これは正しいとか間違っているという議論ではなく、兎に角アメリカは競争社会だということ。

 

 アメリカで暮らしていると、競争意識が強烈なことを日々感じる。そこから日本を見ると、非常に平和で、色々なものに守られているという要素を大きく感じる。勿論これはビジネスの話ですが。

 

 自国で完結する、もしくは地元で完結するビジネスモデルあれば、それでも問題ないでしょう。しかし外で戦う、もしくは他国と戦うビジネスモデルであれば、結果競争原理が発生する。その競争原理が無くなる状況であれば、それすら破壊してしまおうというのがアメリカの基本的発想。

 

 では破壊されたら何が生まれるのか。当然既存の常識が壊れるわけだから、全くの新しいものが生まれるであろう。ではそれは何のことなのか。

 

 それこそが 「イノベーションが生まれる」 ということ。

 

 破壊と創造を繰り返し、アメリカビジネスが世界の一歩先を行く強さは、そこから来ているのかもしれない。GAFAすら破壊しようとするアメリカの怖さと、アメリカの強さを感じるこのFacebookニュースでした。

 

 

 

 

 


Facebook提訴 ~前編~

2020.12.11

 いきなり物騒なタイトルだが、今週世界中を騒がしているのが、この 「米連邦取引委員会(FTC)とNew York州など48州・特別区の司法長官が12月9日、ワシントンDC 連邦地裁に対し、Facebookを反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴した」 というニュース。

 

 FTC等の提訴内容を簡単に要約すると、下記の通り。

 

 Facebookが以前、市場の独占を脅かされることを恐れて写真共有アプリ「Instagram」や通信アプリ「WhatsApp」などを買収する戦略を取ってきたと主張し、両事業の売却を求めたということ。

 要するに、Facebookは脅威になるそうなポテンシャルの有る競合企業を、続々と買収してきたことが市場では不当であるということに対しての提訴。

 

 しかしFTCは、以前上記2社の買収を容認していたという現実があるので、この問題は厄介だ。一度容認した事実がありながら、ここに来てFTCは提訴をおこなったというのは、なかなかレアケース。

 

 ちなみに、日本ではあまりなじみのないWhatsAppは、日本でいうLINEのようなメッセージアプリ。LINEは日本では浸透したが、他の国ではそれぞれ別のメッセージアプリが主流であり、WhatsAppはアメリカ等がメインであり、韓国ではカカオトーク、中国ではWeChatが主流。

 

 さて話を戻し、FacebookがWhatsAppやInstagramを買収したわけだが、現在世界ではFacebook単体の月間ユーザー数は世界で27億人。Instagram、WhatsApp、Messengerを加えると、その数は32億人。78億人の世界人口の4割に上る。

 

 これを見ると、少しだけ日本的な発想かもしれないが、プラットフォームが少なければ少ない程、消費者にとっては便利じゃないかと感じる方も多々あるはず。世界中の全ての人々がLINEを使ってくれ、TwitterもFacebookもInstagramも一緒になってしまえば、それぞれアプリを立ち上げる必要性もないし、便利に決まっている。

 

 Facebookがドンドン大きくなれば、それこそアメリカの国益になるだろうし、会社は大きい程体力もあり、安定企業として社会の中で存在感を増してくれるだろう。日本人としては、そういった日々ライバル会社とせめぎ合う企業より、案敵的な企業で働きたいと考える方は多いのはないだろうか。

 

 日本人は、競争より安定を求める傾向にあるから、上記の発想は当然かもしれない。実際、トヨタ自動車が嫌いな日本人は少なく、逆に日本の誇りであり、更に世界に向けて発展して欲しいと願っている方が多いはず。

 

 そういう日本企業を提訴されれば、日本人ならどう思うのか。答えは容易だ。

 

 では何故、アメリカ大企業であるFacebookをFTCは提訴したのか?続きはまた・・・。


【ブログ5周年!】

2020.11.30

 皆さんのお陰様で、気付けばこのCEOブログもこの10月で5周年を迎え、6年目に突入していました。

 

 読み返してみると、初回は2015年10月1日。

 

【川口グループHP & ブログ開設】

http://www.kawaguchi-group.jp/blog_president/258/

 

 真っ先に感じたのは、今より5歳も若いことへの羨望・・・。5歳若けりゃ、あれも出来るこれも出来るって、今より更に欲が出そうです(笑)

 

 自分でも5年前の初回ブログを読み直してみましたので、下記に一部を抜粋します。

 

 川口グループ全従業員が私の考え方を共有することが出来、更に少しでも社外の方々が川口グループの取り組みを御理解頂けますと幸いです。どういう内容、方向性になるかは今後の流れ次第ですね(笑)。個人的に仕事でもなんでも、「取り敢えずやってみよう!ダメならやり直せばいいだけじゃないか」と思ってますから。何でもそうですがやらないよりもまずはやってみるべきです。ありきたりですが、第一歩が無ければ絶対に第二歩目はありませんからね。そういう感じで紆余曲折しながら前に進み続けるようなそんなブログになることに期待します。

 

 この感覚は、5年経った今でも全くの不変であり、自分の中でもぶれずに、今でも日々念頭に掲げている言葉です。

 

 この5年間、毎月平均約3回程、ブログをUPしてきました。勿論大手企業や有名人のような、多数のフォロワーがいるわけではありませんが、それでも「見ました!楽しみに読んでいます!」という身近な方や、ビジネス関係者、面接にいらっしゃる方、そしてお世話になっている方からの言葉は、本来筆不精の私からすると、大きな大きなモチベーションになります。

 

 自分でも5年前に書いている通り、「第一歩が無ければ絶対に第二歩目はありませんから」。5年前におこなった第一歩が、今日に繋がっていると思います。

 

 Continuity is the father of success.(継続は力なり)

 

 5年間、サポートいただいた皆様に心から感謝です。さてさて次の5年後は、どういったステージ、どういった姿になっているのか、今からワクワク楽しみです(歳はとりたくありませんが・・・)