【10年目のBIG SURPRISE ~ Part 2 ~】
2020.06.30実は、前回ブログに載せた、弊社中部営業所でのサプライズ後には続きがありまして・・・。
中部営業所を離れ、先程の感傷に浸りながら、一人気分良く鳥取本社に向けての運転。途中、要件があり一件立ち寄りましたが、あとは会社の前橋さん含め数人から電話が入った程度で、スムーズに鳥取本社到着。
駐車スペースに車を停めようとすると、何故か待ち構えていたかのように立っている、会社メンバーの本部さんと仲田さん。車のウインドーをオープンし、
「どしたの?」 私が二人に声を掛けると、
「遅いです!!」 っと本部さんから笑顔で一喝、、
「黙ってオフィスにあがってきてください!!」 っと更に恫喝され、、、
「あっ!」 鈍い私も流石にぴんときました。
つい先程の余韻に浸っていた私に、まさかのサプライズ二連発!?車をバックさせ逃げようとすると、
「ちょっちょっちょっと!」 っと、往年のダチョウ倶楽部のようにストップをかける二人。
渋々車を停めて車から出ると、首根っこを掴まれるように可愛いバースデーかぶりモノを頭に装着される・・・。よく見ると、その後ろで総務岡村さんがビデオ撮影をしている・・・。
どうやらこれは記憶にも記録にも残る系だと観念。そしてオフィスに上がり、ドアを開けてみると、、、まさかの全メンバーが拍手と笑顔でお出迎え。
「川口さんっ!お誕生日おめでとうございま~す!!」
一同一斉にお祝い唱和。
恥ずかしいというか、くすぐったいというか、何とも言えない笑顔になっただろう私は、「仕事しろよ~!」っと、照れ隠しのように憎まれ口を叩きながら入場。そのまま自分のデスクにエスコートされると、私のデスクはバースデー仕様の豪華なデコレーションが。そして更にデコレーションされたTVモニターと特別仕様の椅子が配置されており、黙って座るようにと再度指示を受ける。
言われた通り座って振り返ると、当然の如く皆さんが見ている。そりゃそうだろうと思いながら、注目される恥ずかしさから、あんまり見れれたくない思いが交錯する。そうこうしていると、オフィスが少し暗くなり、目の前のTVモニターから皆さんが創ったという手作り動画が始まる模様。
スタート直前に、「川口さん、泣く準備は出来てますか?(笑)」っとからかわれながら、いよいよ動画スタート。
やばい、一日二回のやられるのか・・・。完全にダブルではめられた・・・。しかし先程の中部営業所でのサプライズ同様、泣かせようという狙いが見えると、負けたくないと思うのが人の心というもの。これから始まる出来事に、感謝と嬉しさの感情と共に、闘う準備は出来ました。そう泣かないために闘うということ(笑)
さあバーステー動画のスタート。
Happy Birthday!
おかえりなさい 10周年~感謝を込めて~
このメッセージから始まる、5分オーバーの大作動画でした。
この場に参加出来なかった会社メンバー達からの、メッセージ付きの動画が次々と流れ、良い感じのミュージックが、更に感情を高揚させる。そして、それぞれの会社メンバーと私との思い出の写真や動画が流れる。やばい、、、思いのほかクオリティーが高すぎる・・・。
先程の中部営業所所属の山根さんとの皆生温泉でのエピソード同様、こういった思い出は、それぞれのメンバーと私との思い出であり、他のメンバーは知らないことも多々あります。その思い出とは、その場にいた人間だけが共有できるものであり、その人間同士でしか語れない思い出。よって私とその人だけしか分からない写真を見ると、その写真の瞬間にあったエピソードを思い出し、また違った思いや感情が湧き上がってきます。
山田さんとメキシコ工場立ち上げ前日に二人で泊まったモーテルでの乾杯写真を見ると、直前に並んで買ったタコス屋台の風景や、モーテルでシャワーがぶっ壊れた思い出。皆で神戸に行った社員旅行での写真を見ると、船の甲板から見るあの突き抜けるような青空。そして我々川口グループの象徴でもあるしゃんしゃん祭り参加では、半年前からの準備や練習、演舞後の打ち上げでの楽しい思い出。
それぞれが、その場にいたそれぞれの方々とのみ共有できる大切な思い出。これらがあるから人生の楽しさを再認識させてくれます。私にとって本当に大切な人生の一ページを、この動画が甦らせてくれました。
そして終盤のスライドに、「川口さん、泣く準備は出来てますか?」っとのメッセージ。何かと思ったら、なんと私の家族からのメッセージ・・・。知らない間に動画を準備されているとは・・・。うちのメンバーは仕事が出来ると再認識(笑)
動画時間が終わり、山崎さんから大きな花束とメッセージ。彼には感謝の思いと共に、この10年私が最も迷惑をかけた一人。「ありがとうございます」っと、花束受け取りましたが、心の中では、「10年間ごめんなさい」という思いが強かったというのが本音です。
花束受け取った際に、皆さんに挨拶させてもらいました。細かい部分は、その場にいたメンバーだけとの思い出にしたいので割愛します。その場で話した言葉をただ一つだけ。
「会社は二流、社長は三流だけど、我々の会社メンバーの皆さんだけは一流です!」
我が仲間たちの目を見ていると、心の底から自然と、気持ちの入ったメッセージが出てきました。46回目のBirthdayでしたが、間違いなく私の人生No.1 Birthday。
最高の幸せとは、自分や物やお金や何かが作ってくれるのではなく、自分が愛する仲間が創ってくれる時間だということを、改めて再認識させてもらいました。
私は最高に幸せものです!!
It wouldn’t be a happy birthday without having wonderful members like you all, I really appreciate your wishes. I’ve received the greatest birthday wishes ever! You guys are so sweet and I am really proud of you guys all!
【10年目のBIG SURPRISE ~ Part 1 ~】
2020.06.16その日は早朝から倉吉スイカの出荷式があり、倉吉選果場にて式典参列及び挨拶まわり。朝の8時から汗ばむほどの暑い一日のスタートでした。
昼までJA(農協)さん含めて、スイカ農家さん梨農家さんの農場訪問。弊社中部営業所の営業メンバーとの同行。しかし新型コロナウイルス対策もあり、各自の車でバラバラ移動となります。
今年のスイカや梨の現時点での状況を伺いながらですが、梅雨入りもまだしてないのに、とにかく蒸し暑い・・・。帰国して10年経過し、暑い夏や寒い冬は年々慣れてきてまだ耐えられますが、どうしてもこの梅雨だけは馴染めません。息苦しいというか、なんというか。まあ日本人でも梅雨が好きな方はあまりいないでしょうけど、その日は特に酷かったですね。
汗だくになりながら午前中の一通り仕事も終了。弊社中部営業所メンバーと遅めのランチを取り、鳥取市に車に戻ろうとすると、中部営業所の元気印若手営業山根さんから、ちょっと頼み事があるので、もう一度中部営業所に寄って欲しいとのこと。
オフィスに戻り、個室で打ち合わせをしていると、彼が一度その個室から退席。そもそも珍しく個室で打ち合わせなんてって思っていたところ、目の前の閉まっているドアのノック音が。
何も考えず、ノックされたからドアを開けてみると・・・。
「Happy Birthday!!」
中部営業所全メンバーの盛大な声と激しいクラッカーの連発音。ハッとしたと同時に頭を駆け巡ったのは、
「やられた・・・まんまとはめられた・・・」
そうなんです、その日は私の誕生日。満面の笑顔の彼らから、メッセージ付きの色紙とプレゼントを受け取り、笑顔と戸惑いの表情を浮かべていると、その20代若手ホープの山根さんより、いきなりのお祝いメッセージ。
思いもよらぬ連続攻撃に、少し込み上げてくるものが・・・。しかし横を見ると、櫨所長がニヤリとしながら動画を撮っている。そう、明らかに私を泣かそうとする演出をしているわけです。
そう来られると、負けず嫌いの血が騒ぎます(笑)。でもそんな動画を撮る姿も、逆に感情を盛り上げてくれるんですよね。嬉しいけどやめて欲しいという私の心の叫びと葛藤が交錯します。
そして今回のメインメッセンジャーである、山根さんよりの嬉しいスピーチのようなメッセージ。
「入社前、一般的な社長のイメージというと、正直めんどくさい人ばかりだと思っていました。でも入社後、社長っぽくなく、いつも僕ら社員と寄り添ってくれ、近い距離にいてくれ、僕の想像していた社長像を180度変えてくれました」
そして、2年ほど前に、私が彼にかけた言葉を覚えていてくれて、その後に話してくれました。さすがにこのブログに記載は控えますが、勿論私も鮮明に覚えていた言葉でした。その語り合った場所とは、仕事終わった後、皆生温泉の露天風呂に二人で入ったときのこと(笑)。
20歳ほど年齢が違う彼と、二人で露天風呂に浸かりながら2時間ほど将来について語り合った夜。その風景を、その言葉を思い出すと、それを覚えていてくれたことに対して感動しないわけがなく、こみ上げてくるものがありました。
彼の、そして中部営業所メンバー全員の気持ちが伝わる、素晴らしい午後のひと時で、同時に私にとって一生忘れられない出来事となりました。中部営業所は小さな拠点ですが、櫨所長を中心に素晴らしいチームワークと素晴らしい力を持った、川口グループでも大切な拠点です。櫨さんのグループ随一の強いリーダーシップがあるからこそ、我々が目指す、農業に寄り添った企業という会社の方向性にしっかり体現している営業所。
今日のメンバー皆の姿を見ていても、だから良い営業所という理由が素直に分かる、そんな光景でした。
会社経営をしていて、最も嬉しい瞬間というのはこういう瞬間なんだよなっと、何とも言えぬ喜びをかみしめながらの、鳥取までの楽しい運転時間。いつも見る風景もまた違った景色に見えるほどの感激でした。
最高の感動とサプライズをありがとう!!
【感謝の10年間】
2020.06.01私事を掲載するのは恐縮ですが、この6月1日は少し特別な日でした。
10年前、2010年5月24日昼、妻と愛犬Cooと久しぶりの我が地元鳥取空港に降り立ちました。イメージと違う鳥取の快晴の景色が今でも目に焼き付いています。そしてその1週間後の2010年6月1日、同じように快晴の朝、私の鳥取でのワークライフがスタートしました。
横浜生まれ横浜育ちの妻は、10代後半より海外生活が大半だった為、久しぶりの日本での生活にも不安があり、ましては初めての鳥取生活。不安そうにCooを抱きかかえていた姿が懐かしくもあります。
考えてみれば、確かに私が明日からいきなり知らない例えば東北地方の田舎町で暮らせと言われたら、、、っと思うと不安になるのもしょうがありません。当時友人にも散々言われましたが、せめて東京で日本生活のリハビリしてからならまだしも、いきなり鳥取はかわいそうだと・・・。
そして愛犬Cooも、つい一週間前までカリフォルニア西海岸の海沿いを走っていたのが、いきなり鳥取。曇天と湿気に驚いたことでしょう(笑)
あれから節目の10年。色々な出来事を回顧しながらの朝。そしてまた同じように鳥取らしくない快晴の中の出社。あの朝との大きな違いは、毎月スタートにおこなわれる月例朝礼も、新型コロナウイルス対策でのリモート方式。あの時と違い、会社メンバーの表情も見ることの出来ない無機質なスタイルが今の現実を思い知らしてくれます。
10年というのは個人の人生においても、企業の歴史に対しても非常に大きな期間です。私だけではなく、当然のことながら全ての方々に人生があり、そしてそれぞれの人生には分岐点が何度もあり、それを自ら選択して進んでいきます。これは企業も同様です。
今でも自分が今まで下してきた選択は、我が企業にとって、我が人生にとって本当に正しかったのかと自問自答することも多々あります。当然答えなんて誰も分からないことも理解をしていても、誰しも日々自問自答してしまうのが人というものです。
それでもその結果としての現在、自分の家族が、自分の会社の仲間が、自分のまわりの全ての方々が幸せであるかどうかは、私にとって非常に大切なバロメーターです。
この10年は本当に色々なことがありました。弊社にとっても大きな変革期でもあり、数えきれないほど沢山の出来事を経験し、それを乗り越え今があります。
今振り返ってみると、真っ先に浮かんでくることは、弊社メンバー全員に迷惑ばかり掛けた10年だったなということ。
企業とは生き物であり、ビジネスとは生き物である。昨日の成功事例はビジネスの世界は通用しないし、新しいことや変革をしなければ、企業は必ず衰退します。いつも発していますが、その上で大事なのはスピードです。アメリカ生活で、その姿をまざまざと見てきた私は、他の日本人によりその部分を大切にしていると同時に、その怖さも理解しているつもりです。
ただその結果、この10年間で弊社メンバーも振り回してきたんだろうなっということは鈍い私でも分かります。静かな鳥取で静かに暮らしたかったメンバーの方が多かったかもしれません。しかし私と出会ってしまったばっかりに・・・っと申し訳ない気持ちは今でも消えません。しかも10年間も。
それでもこんな私に付き合ってきてくれた全てのなかまに、心の底からの感謝をしています。
今年のKGPスローガン「感謝」。
この言葉には、実は「謝る」という漢字が入っています。これが日本語の深いところだと感じます。実は本年度のスローガンを掲げる際、「感謝」という語源の意味を調べてみました。
「感」という漢字の意味
- 心が動き出すさま
- 外部の者に触れて深く心が動くこと
「謝」という漢字の意味
- 詫びる
- お礼を伝える
「感」の意味は想像通りですが、「謝」の意味は面白いですよね。「詫びる」と「お礼を伝える」は対照的な言葉であるからです。
「謝」という漢字構成は、【言=口を使って言う】 & 【射=張り詰めた矢を手から放つこと】 であり、【言葉を発することにより緊張を緩めるということ】を意味しているようです。
要するに「感謝」とは、まわりの方々に対して、口が開けられないほどに強く心が動き、それを言葉の矢として放つということ。即ち言葉で相手に伝える事。
っということは、心の中で相手に感謝の気持ちを持っていたとしても、それを言葉として伝えなければ、「感謝」とは成立しないのかもしれませんね。
私のこの10年間を振り返っての感情は、まさに「感謝」です。
私に人生に出会ってくれた全ての方々に対して感謝です。全ての方々に支えられ、助けてもらい、共に駆け抜けた10年でした。そして同時に沢山迷惑をおかけした方々に対して、謝らないという思いも強く持っています。
この10年間が正しかったかどうか、今はまだ分かりませんが、真っ先に伝えたい言葉はこれですね。
「ありがとう & ごめんなさい」